::てまり保育園 一年検査を終えて・・・

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先日、てまり保育園の竣工後一年検査に行って参りました。

園児達が建物の内外を活発に動き回り

それぞれに自分の居場所を見付け楽しそうにしている姿を見ていて

設計に込めた思いを改めて思い出し

暫し安堵と達成感に浸りました。



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以下、設計に際し込めた思いをふり返ります。


□ てまり保育園の保育目標は

・基本的生活習慣の自立が出来るように

・自分の力で物事を考えることに自信がもてるように

・他の人の感情や権利を尊重できるように

・他の人の権威や、主張に左右されないで
 自分の考えている事が伝えられるように

・いろいろな遊びを通して、何事にも興味を持ち
 やってみたい、やりたいという意欲を育て
 知的発達や社会的知識を養うように

という5箇条です。


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では、その自律(立)した個人を育てるに相応しい空間とは?
と言うことで、建築に出来ることとして

 ・人間も自然の一部である
  ということを園児が感じられるよう
  より自然を身近に感じられることのできる空間。

 ・園児が自らの力で物事を考えたり
  何事にも興味を持てるよう
  いろんな大きさの空間を設け、それぞれに変化を与え
  園児の空間認識能力に刺激を与えて
  自ら遊びを創り出す、手助けのできる空間。

 ・園児が、他人の存在を意識し
  その存在を尊重できるよう
  なるべく開放的でオープンな空間にし
  否が応でも他者が見える開かれた空間。

を目指しました。


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そこで、具体的な設えとして「吹抜」と「濡れ縁」を効果的に設け
実現しようと試みました。

大きな吹抜から感じる
太陽による光と影、熱、 空の色の変化など
自然をより身近に感じ
人間も自然の一部だということを
感じられる心が育てばと願いを込めました。
また吹抜を介して、見えたり聞こえたりする
他者の存在を、園児達が常に意識し
園全体の一体感や仲間意識、他者への尊厳が
育つことを目指しています。


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濡れ縁では
古くからある日本家屋の
優れた設えのひとつとして
瀬戸内の温暖で恵まれた自然環境を
より強く感じられる
内でも外でもないこの曖昧な空間から
園児達が様々な刺激を受け
自ら遊びを作り出せるような意欲を
誘発できたらと願っています。


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その他、設計で心掛けたことは

・自由で安全な動線計画

 いくつかの多様な動線により
 遊具のような回遊性のある空間を目指しました。
 また、避難経路にも気を配り、二階からは
 建物の両端と中央から、それぞれ階段と滑り台にて
 いち早く安全に避難できるよう計画しました。
 それと、管理面から、職員室を入口付近に配置し
 園への出入りの管理や、保育室の様子を
 全て見渡せるようにしました。
 また、園児が自分達の現在位置を把握しやすいよう
 保育室の壁の色を塗り分けてみました。


・材料(自然素材)の選定

 可能な限り自然素材の使用を心掛けました。
 中でも直接園児の手や足に触れる部分は
 
  ・濡れ縁床 米杉(レッドシダー)無垢材
  ・1階床 ナラ(オーク)フローリング
  ・2階床 コルクタイル
  ・内部木製建具の引き手 スプルース無垢材

 を使用しました。

・自然エネルギーの利用

 なるべく人工エネルギーに頼らず
 自然の力を利用した快適な生活環境を目指しました。
 庇を設けた吹抜に面する大きな開口部は
 暑い夏の日射は遮りながらも冬には積極的に日差しを取り込み
 廊下はポカポカと暖かい縁側のような空間になりました。
 また、屋根には太陽光発電パネル(27kw)を設置し
 積極的に太陽エネルギーを利用した省エネに努めました。
 あと、冬の快適な室内環境を確保する為
 各保育室と遊戯室、ランチルームにそれぞれ
 床暖房設備を設けました。

以上が設計時に考え、建物に込めた思いです。


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主構造を木造で計画出来なかった事が心残りですが

それは次のチャンスを待つとして

これからも建築が人に与える影響を鑑み

建築の持つ力を信じて励んでいこうと思います。


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