瀬戸内の心地よい住まいを設計する、尾道の建築家のブログ
20160506 15:04

この度の熊本地震への応急危険度判定士派遣に参加してきました。
熊本市南区の一部を担当させていただきましたが
メディアに良く出る益城町や南阿蘇と同様に倒壊家屋の多い地域もあり
目の前にある悲惨な状況を前に被災者の方々へかける言葉が見つかりませんでした。
被害は古い木造の瓦屋根の建物に多く、立派に積まれた棟瓦が瓦解し
1階の屋根や樋を壊している建物が多く見受けられました。
また瓦の落下は二次被害にもつながり、金属葺きの屋根と比較しますと
地震時の安全性は比較にならないほどでした。
またエコキュートの貯湯タンクが吹き飛ばされたり
ペアガラスのアルミサッシが枠ごと脱落しているのを見ますと
ある程度重さを持ったものの方が強い加速度と共に
廻りのモノを壊して被害を拡大しているように感じます。
それと調査した地域は比較的平屋が多く見受けられ
やはり2階建てと比べますと明らかに被害は少なかったです。
また根本的な被害程度の差は、建物が建っている地盤に大きく左右されると感じました。
盛土している敷地や地山が傾斜しているところ、河の近くなどは
やはり被害が拡大されているように感じます。
この度の地震で建物が人命を奪ったケースについては徹底的に原因を調査し
今後に生かす必要があります。
自然災害の多いこの国で、社会資本としての建築を
より安全により美しくしていくために・・・
今回初めて広島県では民間の応急危険度判定士を派遣したそうです。
被災者を前に生活の礎を失うことの喪失感が手に取るように実感でき
改めて自身の職能に対する責任の重さを痛感する
貴重な経験をさせていただました。
被災者の方々の一日も早い復旧、復興を願うとともに
もうこれ以上余震が続かないよう
どうか地震活動が沈静化しますよう願ってやみません。













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