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::「コミュニティを問いなおす」

ゴールデンウィークを利用して

枕元に積んでいた本を、幾つか読みました。


昨年のせとうち建築文化セミナーでの講師

山崎亮さんのお話しを聞いてから

コミュニティについて考えさせられることが多く

今回ご紹介する著書は、ズバリ


「コミュニティを問いなおす」広井 良典 著 です。


最近の新書にしては、中身盛り沢山で、ずっしりです。


内容は、現代日本が抱えている様々な問題を

コミュニティという視点で改めて問い直し

名著やデータを駆使しながら、あらゆる角度から

その本質をあぶり出し、解りやすく解説しています。


多重化、複層化した様々な問題についての

具体的な方策や解決方法には、少々欠けていますが

日本の問題山積みの現状を把握し、みんなで議論するには

もってこいの良書間違い無しです。


これからの時代に、どう国民の幸福度を上げていくか?


それには、今まで経済的成長を優先して犠牲にして来た

個人の地域や会社との関わり合い、「コミュニティ」を

どうこれから組み替えていくかが、鍵になりそうです。


政治や行政に頼り過ぎず、個人や家族、会社で

都市政策や社会保障政策、公共政策などの方向性を議論するその先に

日本人としての、新たな公共性が見えてくるような気がしています・・・



[コミュニティを問いなおす―つながり・都市・日本社会の未来 (ちくま新書)]

コミュニティーを問い直す

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::杉本博司 著 「空間感」
今日は、以前(9/3)のブログでご紹介しました杉本博司さんの著書「空間感」についてご紹介


現代美術家の杉本博司さんご自身が、美術家として展示体験された

世界中の美術館建築との対戦記 ? です。


「建築家はユーザーであるアーティストのことを全く考えてないか

アートが建築に闖入してくるのを迷惑に思っているふしがある」

「美術館建築では建築家の意志が際だつケースが多い。

家はひとが住みやすく、ダムは水を溜めやすく、牢獄は囚人が逃げにくく、

それが建築設計の使命である。

しかし何故、美術館建築には無謀が許されるのであろうか。

それは建築の、美術に対するコンプレックスが裏返された、

建築のアートに対する報復だからだ。

私はアーティストとして、ここに一言申し上げる。」(本文抜粋)


なんとも挑戦的です。


□この本に収録されている、杉本博司が対戦した建築家と美術館空間

 ・ミース・ファン・デル・ローエ <新ナショナル・ギャラリー>ドイツ

 ・安藤忠雄  <ベネッセアートサイト直島>日本

 ・ピーター・ズントー  <ブレゲンツ美術館>オーストリア

 ・谷口吉生  <丸亀市猪熊弦一郎現代美術館>日本

 ・レンゾ・ピアノ  <銀座メゾンエルメス>日本

 ・磯崎新  <ハラ ミュージアム アーク>日本

 ・ジャン・ヌーベル  <ルツェルン文化会議センター>スイス

 ・SANAA  <金沢21世紀美術館>日本

 ・吉田五十八  <ローマ日本文化会館>イタリア

 ・ダニエル・リベスキンド  <王立オンタリオ博物館>カナダ

 ・西村伊作  <西村伊作のベビーベッド/有隣荘>日本

 ・ヘルツォーク&ド・ムーロン  <デ・ヤング美術館>アメリカ

 ・七代目 小川治兵衛  <有隣荘の庭>日本



杉本さん自身で撮影された美しい写真と、各美術館の採点表、

一工夫された装丁と、なかなか楽しめますよ。


また、2005年に出版された初評論集「苔のむすまで」も、とても素敵な文章で

合わせて読まれると、より一層、味わい深いモノがあります。 是非お勧めです。


杉本博司著書

空間感
苔のむすまで

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::6つの規則 「建築の新しさ、都市の未来」
昨日のブログを受けて、建築を計画する上での大切な6つ規則について

思い出した記述がありますので、以下書きます。


それは「建築の新しさ、都市の未来 (彰国社刊)」に掲載されていて

この本自体は、横浜国立大学大学院/建築都市スクールY-GSAの中の

市民公開建築講座「新しい建築を目指して」の招待講師のレクチャーをまとめたものです。


その中で、作家であり評論家の松山巌さんが

「建築の新しさとは何か」の講義の中で言っておられます。



□6つの規則

1、印刷物の上で流行している建物のデザインやその他の手法は

  10年、20年の使用に耐えられると納得するまで使うな。

2、小さな建物で十分な時は、決して建物と建物を複合化するな。

  もし複合化する時は、複合化する機能が20.30年耐えられると納得するまで行うな。

3、1階分でも2階分でも高さと床面積を押さえることが可能な場合は、

  常に高さと床面積を削れ。

4、計画は周辺環境と周辺住民に能動的に寄生するようにし、

  決して周辺環境や住民、未来に対して閉じた、寄生するばかりの受動的な計画はやめろ。

5、人間の日常的な身振りや振る舞い、大地と大気が育てた自然に注視し、

  できるだけ機械に頼るな。

6、もしその計画が、子供や老人や障害者が使えないくらいなら

  これらの規則のどれでも破れ。


以上、前回のブログで書いた「ふれあいプラザ なのはな館」(高崎正浩さん設計)の

今の姿を見て、強烈に感じる大切な6つの規則でした。



この本を読んだ時に、とても大切な事を言っておられると思い

自分の建築ノートにメモしていたのを思い出し書きました。


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